矢倉囲いは多くの方が愛用する囲いで、様々な場面で使われる機会が多いです。
将棋の基本が詰まっているとも言われる矢倉ですから、対策や崩し方は覚えておいて損はありません。
今回は、矢倉囲いの崩し方を多くご紹介いたします。
持ち駒などを確認しながら、状況に合わせて攻め方を狙ってみてください。
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- 1 矢倉囲いとは?
- 2 矢倉囲いを崩すには横からの攻めを意識する
- 3 3一銀や4一銀による攻めを覚えておく
- 4 矢倉の崩し方1 5二龍からの攻め方
- 5 STEP1 龍の成り込みを狙って行く
- 6 STEP2 金の隙を狙って銀を打ち込む
- 7 STEP3 龍で金を取り、下から入って行って詰みを狙う
- 8 矢倉の崩し方2 銀と飛車を活用した守りながらの攻め
- 9 STEP1 銀をいきなり打ち込む
- 10 STEP2 王手を含めた両取り
- 11 矢倉の崩し方3 飛車がない場合の角での攻め方
- 12 STEP1 さらに金を責め立てる銀打ち
- 13 STEP2 角で切り込み相手の矢倉を崩して行く
- 14 STEP3 拾った金を使って玉をつめる
- 15 矢倉の崩し方4 角と飛車で挟み撃ち
- 16 STEP1 棒銀による2筋の攻め立て
- 17 STEP2 銀打ちによる痛い攻め方
- 18 矢倉囲いの崩し方5 横からではなく上から崩す戦法
- 19 STEP1 端を狙って行く攻め方
- 20 STEP2 飛車でさらに責め立てる、桂取りを狙って行く
- 21 矢倉の崩し方6 桂馬での仕掛け方
- 22 STEP1 基本は5二龍を狙って行く
- 23 STEP2 桂馬を捨てるような攻め方
- 24 STEP3 飛車で一気に寄せを狙って行く
- 25 STEP4 持ち駒にした歩と銀で詰め寄る
- 26 矢倉囲いの崩し方7 飛車で一気に攻め切る手筋
- 27 STEP1 飛車を捨てる攻め方
- 28 STEP2 金を捨てて玉を寄せる
- 29 矢倉の崩し方8 相手の角を狙った攻め方
- 30 STEP1 邪魔な角をどかすのにも銀を活用
- 31 矢倉崩しの手筋を覚えれば矢倉は怖くない!
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矢倉囲いとは?
最初にもお伝えした通り、矢倉囲いは将棋の囲い方の中でも基本とされやすい守りになります。
矢倉囲いから覚えるという人も多いので、初心者のうちではぶつかりやすい戦型となります。
上からの攻めに強いのが特徴で、最初の頃は攻め方がわからず、ジリ貧になるということが多いのではないでしょうか?
しかし、矢倉の崩し方さえ理解していれば、以外と簡単に詰みに持って行くことができるんです。
矢倉囲いを崩すには横からの攻めを意識する
矢倉相手に狙っていきたいのは、横からの攻めになります。
1段目を確保できるようになると、矢倉を崩す手段が多くあります。
そのためには、相手の飛車や銀を払っておく必要があるので、矢倉崩しの基本は中盤でどううまく立ち回れるのかもしれません。
3一銀や4一銀による攻めを覚えておく
矢倉崩しにおいて有効な一手が3一銀です。
この銀の使い方が、矢倉崩しの様々な手筋で出てきますので、この位置は強いと覚えて置いて損はありません。
3一銀の強さは、相手の玉が逃げるか、金を動かすかの2択になります。
玉が逃げれば、囲いの堅さは見た目以上に弱くなりますし、金で取ってしまうと、一気に玉へのラインが作られます。
飛車や角との連携で詰ませることができるので、銀は中盤で獲得しておきたい駒になります。
また、同じように4一銀も非常に強い一手で、相手の金を攻めることができます。
矢倉の崩し方1 5二龍からの攻め方
まず最初にご紹介する矢倉囲いの崩し方が、5二龍からの攻撃です。
持ち駒に必要なのは銀になりますので、補充できたら一気に仕掛けたい手にです。
STEP1 龍の成り込みを狙って行く
▲5二龍
飛車の成りを狙うなら、この位置を目標に動かしていきましょう。
王手にはならないものの、ここから矢倉囲いに対して強い攻めをおこなって行くことができます。
STEP2 金の隙を狙って銀を打ち込む
▲4一銀
矢倉囲いは横から攻めろということで、4一銀と狙って行くのが強力な一手です。
相手の金の死角になっているので、この銀が取られることはありません。
STEP3 龍で金を取り、下から入って行って詰みを狙う
▲4三龍
△同金
▲3一銀
△1二玉
▲3二銀成
龍を捨てて相手の金で取らせます。
すかさず3一銀と王手をかけますが、相手はこの銀を取ることはできません。3二金で詰みになりますからね。
1二玉と下がるしかありませんが、玉が追い込まれて詰みは近くなり、矢倉もボロボロの状態です。
矢倉の崩し方2 銀と飛車を活用した守りながらの攻め
矢倉囲いで相手の「角」のような攻め駒が脅威になっている時の手筋があります。
こちらも矢倉囲い相手には覚えて置いて損はない手順で、一気に優勢に持って行くことができる方法なので、是非覚えてください。
STEP1 銀をいきなり打ち込む
▲3一銀
3一に銀をおくのが優秀な手となります。
相手は玉を逃がさないといけないので、このまま放っておくことはできません。
STEP2 王手を含めた両取り
▲6一飛
飛車を使って王手をかけながら、角を狙うことができる一手になります。
相手の攻め駒を取りつつも、王手をかけるという将棋には欠かせない手筋になります。
矢倉の崩し方3 飛車がない場合の角での攻め方
矢倉囲いは横の攻めに弱いということで、飛車打ちが有効な攻めになることが多いです。
では、角による攻めはないのでしょうか?
この項目では、角を使って相手の矢倉囲いを崩して行く方法をご紹介します。
STEP1 さらに金を責め立てる銀打ち
▲4一銀
相手の金の死角を狙った銀打ちです。
3一銀も強力ですが、他の駒との連携で攻めるなら4一銀も強い一手になります。
STEP2 角で切り込み相手の矢倉を崩して行く
▲4三角成り
△同金
相手は銀を取ることはできませんので、良くて4二金と考えられます。
攻め側はすかさず、角で相手の金を剥がしにかかります。
もちろん、馬を置いておくと厄介なので同金と取ってきます。
STEP3 拾った金を使って玉をつめる
▲3二金
2段目の金を動かした後の3二が急所の一手となります。
相手は玉でしか金を取ることができないので、1二玉と逃げるほかありません。
この調子で攻めを継続することができれば、優勢と言えます。
金ではなく飛車であれば即詰みとなります。
矢倉の崩し方4 角と飛車で挟み撃ち
居飛車で攻めているパターンでの矢倉崩しになります。
4一に馬がいるのがポイントで、飛車と角による挟み撃ちを狙って行く手筋になります。
STEP1 棒銀による2筋の攻め立て
▲2四歩
△同歩
▲同銀
△同銀
▲同飛
△2三歩
少し長くなりますが、手順は簡単です。
まずは、2筋の歩を突き捨てて棒銀のようにして縦の攻めを狙っていきます。
同銀と取られてしまいますが、飛車で取り返して、相手が玉頭に歩を置いて守ってきた場面です。
STEP2 銀打ちによる痛い攻め方
▲3一銀
△同金
矢倉崩しの基本となる、3一銀が炸裂しました。
これを同金と取ってしまうと、飛車の攻めが成功します。
▲2三飛成
飛車成りと入ることで、龍を馬で守る形となっているので、詰みとなりました。
このように、飛車と角を使って挟み撃ちのような攻めが矢倉崩しには有効です。
横からの攻めに強いとは言え、挟撃を狙って行くというのは基本的に変わらないということですね。
矢倉囲いの崩し方5 横からではなく上から崩す戦法
矢倉が縦の攻めに強いのはご存知かと思いますが、決して横から攻めるだけが手筋ではありません。
今回のような場面では、縦から相手の矢倉を崩しにかかることもできます。
STEP1 端を狙って行く攻め方
▲1四歩
△同歩
▲1三歩
△同桂
歩を突き捨てて、相手の陣地に歩を打ち込みます。
1三歩に対して同香であれば、角の成り込みを狙っていきます。
同桂と取られてしまいますが、これからお伝えする方法で桂馬を取ることができるので、損にはなりません。
STEP2 飛車でさらに責め立てる、桂取りを狙って行く
▲1四飛
△1二歩
▲1五飛
その後、▲1四歩
飛車で歩を取り、相手は1二歩と守ってくる一手となると思いますが、飛車を下げてから1四歩と打つのが桂取りになります。
飛車と角が後続にいるため、攻めが続きます。
この場面になれば、相手の矢倉としての金銀の力は弱まり、優勢となります。
矢倉の崩し方6 桂馬での仕掛け方
続いても縦からの攻めで矢倉を崩して行く方法です。
理想の形はこのような陣形になり、手持ちに桂馬がある場合の攻め方です。
STEP1 基本は5二龍を狙って行く
▲5二龍
矢倉を崩す基本として覚えておきたいのが、5二の地点に龍を作ることです。
5二龍が成功すれば、横からだけでなく縦からの攻めも有効です。
STEP2 桂馬を捨てるような攻め方
▲2四桂
△同歩
▲同歩
△同銀
桂馬を使っての攻めになります。
相手玉はこの桂馬を無視すると形成は一気に不利となるため、同歩と取ってきます。
そこで、同歩と同銀と進んだのが上図となります。
STEP3 飛車で一気に寄せを狙って行く
▲2四飛
△2三歩
▲同飛
△同玉
相手の銀を飛車で取ります。
もちろん、相手は合駒で王手を防ぎますが、それでも飛車成りで攻めていきます。
最後に、同金とは取れないので同玉と対応されます。
飛車で突っ込むのは怖いと思いますが、手筋を知っていればの手になります。
STEP4 持ち駒にした歩と銀で詰め寄る
▲2四歩
△2二玉
▲2三銀
△3三玉
▲3二飛成
ここまでが手筋となります。
最後の飛車成りは同玉と取ることができないので、2四玉と逃げる一手となります。
その後は、2五金と打てば詰みとなります。
飛車を捨てるというのがポイントになる手なので、怖がらずに攻め切るということを目指してみてください。
矢倉囲いの崩し方7 飛車で一気に攻め切る手筋
続いて、4一龍がある時の攻め方になります。
やはり弱点である横から駒を配置して、玉を逃げられないようにして攻めていきます。
持ち駒に金が必要な攻めとなります。
STEP1 飛車を捨てる攻め方
▲2三飛成り
△同玉
▲2一龍
△2二銀
いきなり飛車を切って攻めていきます。
相手は金で取ると、4一龍からの攻めが怖いので同玉と取ってきます。
同玉と取ってきたら、2一龍と王手をかけます。
攻めの手段はありますが、銀で守るのが最善の一手となります。
STEP2 金を捨てて玉を寄せる
▲2四金
△同玉
▲3二龍
持ち駒の金を使って玉を引きずり出します。
玉の移動を確認したら、3二龍と金を取ります。
次に、▲2五金と打たれると詰みになるので、相手側はその地点を埋めたりもしますが、2二龍と銀を取って王手をかければ、まだまだ攻めが続きます。
矢倉の崩し方8 相手の角を狙った攻め方
矢倉で多いのが、4二の地点に角がいるという陣形。
角がいるだけで防御力は高まりますが、実は簡単に剥がすことができます。
それが、銀を使った攻めになりますので、最後にこちらを覚えておきましょう。
STEP1 邪魔な角をどかすのにも銀を活用
▲5二銀
△5三金
▲4一銀成
やはり矢倉崩しにおいて銀は非常に優秀な駒です。
銀に対応するため、相手は5三金と寄せてきますが、すかさず4一銀成を狙っていきます。
結果的に、角がどこにも逃げれなくなり、次の番で確実に角を取ることができますね。
矢倉崩しの手筋を覚えれば矢倉は怖くない!
今回は、矢倉崩しの手筋を複数ご紹介させていただきました。
肝となる一手は似たようなものが多いので、どれか一つを理解すれば、矢倉崩しの基本が身についてくるはずです。
是非、銀や龍による矢倉への攻め方を覚えてみてください。
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